医療的ケアが必要な子を育てる保護者らが悩みや疑問を語り合ったキックの交流会(3月10日、京都市左京区・市障害者スポーツセンター)

医療的ケアが必要な子を育てる保護者らが悩みや疑問を語り合ったキックの交流会(3月10日、京都市左京区・市障害者スポーツセンター)

 人工呼吸器やたんの吸引、チューブなどで胃に直接栄養分を入れる胃ろうなどを日常的に必要とする医療的ケア児と、その保護者が置かれている現状に関心を寄せてほしい―。京都市内の親たちが設立した医療的ケア児の家族会「KICK(キック)」から、京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」に依頼が届いた。医療的ケア児の支援態勢は全国的にも整備途上で、同会は子どもの学校生活の充実や家族の負担軽減を目指して活動を始めた。

 医療的ケア児は、先天性の病気や出産時のトラブルにより、気管切開や胃ろう造設手術を受けたり、体にまひが残ったりした子ら。新生児医療の進歩で救われる命が増え、人口は10年前の約2倍(2016年時点で約1万8千人)と増加の一途をたどる。一方、福祉や教育現場での受け入れ態勢は自治体でばらつきがあるなど十分とは言えず、親の疲弊も課題になっている。

 同会は市内の4支援学校などの約20家族が横断的に集う組織として、昨年12月に設立。これまで個別に各学校に訴えてきた課題を共有し、会として行政にも働き掛ける狙いがある。今春に市内であった交流会は16家族が参加。「先生が毎年替わるたび、親子共に大きな負担がある」「親が病気のときも子どもを預ける場所がない」などの悩みを挙げ、意見を集約した。

 学校では原則的に看護師などが医療的ケアを担うが、慎重な対応を要するため、校外活動や修学旅行にも親の付き添いを求められる場合が多いという。また、たん吸引を担う人手や設備が確保できないといった理由で、学校の送迎バスに乗れないという問題もある。だが会で話し合うと、時間や座席を工夫して乗車している人がいて、改善の糸口が見えたという。

 さまざまな制約がある中でも、本人に合った教育を受け、望む活動に参加し、友達と過ごす時間を持ってほしいと、親たちは切実に願う。キックの金野大(ひろし)会長(36)は「子どもにはより充実した学校生活を送ってほしい。そのために親も汗をかき、学校や行政と一緒に解決策を考えていきたい」と話す。