河川改修が行われた大宮川。下流の旧天井川の周辺で浸水リスクが低減した(大津市坂本)

河川改修が行われた大宮川。下流の旧天井川の周辺で浸水リスクが低減した(大津市坂本)

 滋賀県が独自に作製する大雨による浸水地域を予測する「地先の安全度マップ」は、1級河川だけでなく、中小河川や農業用排水路など市街地への流入につながる県内すべての河川の影響を反映させている。全国でも例のない水害に対するリスクを示したマップで、県は「避難時の行動に生かしてほしい」と活用を呼び掛けている。

 マップは、2014年に県が制定した流域治水条例に基づき作製され、おおむね5年ごとの更新が義務付けられている。洪水により人命が奪われることがないよう、家屋水没が想定される場所では建築制限が加わるほか、床上浸水が頻発すると想定される場所は新たに市街化区域に編入することが原則禁止されている。
 主要河川の氾濫のほか、近年の大雨で大きな被害をもたらしている中小河川や水路の氾濫の影響を反映させており、想定降雨量は、10年に1度(1時間最大50ミリ)、100年に1度(同109ミリ)、200年に1度(同131ミリ)の大雨の3ケースに基づいて浸水の危険性を算出する。
 今回の更新では、14年の作製時から変化があった、河川の改修や数千件に上る宅地造成などの影響を考慮。川幅の拡張や河床掘り下げの改修が行われた近江八幡市の日野川周辺をはじめ、複数の地域で河川改修により危険性が減少した地域が確認された。
 200年に1度の大雨の場合、大津市では、大宮川の改修や天井川の藤ノ木川の切り下げ工事で、周辺の浸水想定が最大約2メートル減少。高島市今津町の石田川でも、川幅を広げる工事を行った区間の浸水想定が約1メートル下がった。
 身近な河川氾濫に備えるマップだが、県によると市民の認知度は低いという。県流域治水政策室は「水害に備え、いま一度自分が住む地域のリスクを把握してもらい、具体的な避難行動をイメージしてほしい」としている。
 「地先の安全度マップ」は、県のホームページにある県防災情報マップで公開している。各土木事務所でも閲覧できる。問い合わせは県流域治水政策室077(528)4290。