大変厳しい状況が続いています。1月下旬からキャンセルが出始め、2月は4割、3月は6割、4月はほぼ100%予約がなくなりました。約1年かけて行った耐震リニューアル工事が終わって12月、1月はお客さまが増えていただけに、まさかこうなるとは思いませんでした。今年は大津ゆかりの戦国武将、明智光秀が主人公の大河ドラマの放映で、地元自治会の皆さんと地域を盛り上げ、多くの観光客に来ていただこうとしていただけに残念です。
旅館業は、食料品や薬のように日常生活に欠かせない商売ではありません。サービスを外に出すこともできません。一部のホテルや旅館は料理のテークアウトをしていますが、飲食店が少ない地域と違い、この周辺では同じようにお客が減った仕出屋や料理店の営業妨害になってしまう。そう簡単にはいきません。
休業しているホテルや旅館もありますが、一人でも来てくれるお客さまのためにも、従業員の働く場を確保するためにも、営業を続けることが大切だと考えています。数は多くありませんが、在宅勤務をされる方に日帰りや宿泊先として利用していただいています。一方、新型コロナウイルスの感染拡大が収束し、お客さまが戻ってきた時のことを考え、今こそ一人の従業員で複数の仕事がこなせるように情報交換したり、業務の見直しや効率化にも努めたりしています。
今は、再びお客さまにひとときのくつろぎと思い出を提供することを夢見て、奇をてらわず今まで通り質の高いサービスがきちんとできるように、従業員や金融機関、取引業者、地域の方々と協力しながら、なんとか耐えて乗り切りたいと思います。
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新型コロナ禍が社会を覆う中、苦難をしなやかに乗り切ろうとする京都、滋賀の人たちの声を届ける。