新型コロナウイルスの飛沫感染対策として、ビニールカバーが設置された窓口(京都市伏見区・伏見署)

新型コロナウイルスの飛沫感染対策として、ビニールカバーが設置された窓口(京都市伏見区・伏見署)

 京都府警が、新型コロナウイルスの感染防止策に神経をとがらせている。警察官が集団感染すれば、犯罪抑止や捜査に影響が出る恐れがあるためだ。留置管理や変死体の取り扱い時には防護服を着用し、息のにおいを嗅ぐ飲酒運転の取り締まり手法を見直した。在宅勤務制度も導入しており、府警は「警察機能を維持するために全力を尽くす」としている。

 「いつ感染者が出るか分からない。毎日、緊張感を持っている」。府警留置管理課の担当者は語る。留置場にはさまざまな事件の容疑者が日々収容され、健康状態もさまざまだ。密閉空間のため、集団感染のリスクは高い。

 実際に37・5度以上の熱が4日以上続いた容疑者もいた。壁で区切られた個室に隔離した上で、担当する警察官は防護服を身に付けたという。感染が多発すれば複数の留置場が閉鎖に追い込まれかねず、府警は4月20日から、感染の恐れがある容疑者を1カ所の留置施設に集中的に勾留することを始めた。

 変死事案への対応でも警戒を強める。兵庫や東京では、警察が取り扱った遺体が感染していたケースがあった。府警は家族らに生前の健康状態を聞き取り、「発熱やせきが続いていた」「海外への渡航歴があった」などの情報があれば、捜査員が防護服を着用。その上で、遺体をコンピューター断層撮影(CT)して肺炎の症状がないか確認しており、これまで約20人に実施したが、感染者はいなかったという。

 飲酒運転の取り締まりでは、警察官がドライバーの息のにおいを直接嗅いでいた従来の手法を2月下旬に禁止し、アルコールの検知器を使っている。ほかにも、一部の警察署では飛沫(ひまつ)感染を防ぐため、来庁者窓口にビニール製の仕切りを設置。在宅勤務制度や時差出勤を取り入れて、警察官や職員同士の接触機会を減らした。

 4月29日には東山署員の感染が判明し、勤務していた松原交番を一時閉鎖した。府警は検温や消毒など体調や衛生面の管理徹底を改めて周知しており、「府民の安全を守るためにも警察内部で感染が広がる事態は何としても避けたい。できる限りの対策に取り組む」としている。