知井地区にある「かやぶきの里」(2019年5月20日、南丹市美山町北)

知井地区にある「かやぶきの里」(2019年5月20日、南丹市美山町北)

 佛教大社会学部の学生が、京都府南丹市美山町知井地区で高齢者を対象にした交通移動に関する聞き取り調査を行い、結果をまとめた。3人に1人が個人での移動手段がない上、市営バスも利便性の面から7割近くが利用していないことが分かった。移動が困難になる人の増加が見込まれることから、新たな地域交通システムの検討を提案している。


 中山間地での高齢者の交通移動実態を探るために昨年9月、交流のある知井11区の38人(男性11人、女性27人、平均年齢82・1歳)から運転免許の有無、公共交通機関の利用、買い物や通院方法について聞いた。

 免許は男性全員が持っているのに対し女性はわずか4人。免許を持っていない23人のうち9人は同居家族の車に乗って移動するが、14人は個人的な移動手段がなく、近所の人に依頼するかバスなどに頼るしかない状況だった。

 市営バスは50%が「使わない」と回答。「ほとんど・あまり使わない」を含めると68%になった。予約するデマンドバスを利用したことのある人は5人だった。理由としては「本数が少なく不便」が最も多かった。

 移動手段のない人は、買い物は移動販売と生協の宅配利用が多く、美山診療所へは同所の無料送迎を利用し、他の病院へは家族の送迎に頼っていた。

 調査した学生らは、現在の公共交通の維持・充実と、ドアからドアへの移動ができる地域交通システムの検討を求めている。