関西空港が大阪・泉州沖に開港してから今月で25周年を迎えた。

 かつて巨額の赤字にあえいだ経営状況は好転し、近年は訪日外国人客の増加で利用者も順調に増えている。

 好調を支えるのは、アジアを中心とした格安航空会社(LCC)の就航拡大だ。昨年度は台風21号で一時閉鎖する被害を受けたものの、利用者数は過去最多の2940万人に達した。このうち8割近くを国際線が占める。

 LCC路線の大半は中国や韓国を結ぶ便で、最近は、悪化する日韓関係が影を落とすなど不安定になる面もあるが、西日本の空の玄関口として果たしてきた役割は大きい。

 開港以来の目標である「国際ハブ(拠点)空港」を目指すには、アジアにとどまらず、欧米などの長距離便を拡充して多様な路線を確保していく必要があろう。

 関空は大阪(伊丹)空港との経営統合後、2016年に国が全額出資する新関西国際空港会社にターミナルや滑走路の所有権を残した上で、運営権を現在の「関西エアポート」に総額2・2兆円で売却、民営化された。

 長年にわたって経営の重荷となってきた約1・2兆円の負債は、この運営権売却で解消された。

 一方、台風21号による空港機能停止は、海上空港の弱点を浮き彫りにし、とりわけ安全確保の面で残した課題は多い。

 ハード面では、関西エアが高波による浸水被害などを教訓に護岸と滑走路のかさ上げなどを進めているが、非常時の連携強化などソフト面の対策も迫られている。

 当時は航空会社に被害状況が速やかに伝わらなかったほか、関西エア内では、出資するオリックスとフランスの空港運営会社バンシ・エアポート間で対応の足並みが乱れ、復旧の遅れに影響したとも指摘される。

 さらに災害対策の費用負担を巡っても、運営会社と所有会社の関係は不透明な部分が残る。緊急時への備えを十分に詰めておかねば災害への迅速な対応は難しい。

 関西エアは18年から神戸空港を加えて3空港の一体運営に乗り出した。距離の近い空港同士が相互補完機能を持ち、連携を強めることができれば、拠点空港としての地位を高めるだけでなく、災害時の対応力を強めることにもつながろう。

 災害に強く、利便性の高い空港にするためにはどんな連携が必要か。議論を深めたい。