外来で訪れる人が減り、ソファにも空きが目立つ受付ロビー(8日午前11時、京都市下京区・康生会武田病院)

外来で訪れる人が減り、ソファにも空きが目立つ受付ロビー(8日午前11時、京都市下京区・康生会武田病院)

 新型コロナウイルスのまん延に伴い、京都府内の民間病院が苦境に立たされている。感染リスクを恐れて外来患者が激減する一方、院内感染防止や診療態勢の維持に向けたコストが経営を圧迫しているためだ。 

 京都駅前にある康生会武田病院(京都市下京区)では、3月後半から来院者が減り始めた。通常は外来患者で混雑する平日午前の1階受付ロビーも、今ではソファに空きが目立つ。一方、院内感染が発生すれば病院機能が停止しかねないことから、来院者の検温を徹底するなど予防策を強化。収入が減る中、新型コロナに対応するための臨時コストが重くのしかかる。
 同院によると、4月は外来が25・7%減、入院が20%減、救急受け入れが52・2%減(いずれも前年同月比)となった。渡辺司事務長は「収益が減り、4月だけで1億円の赤字も覚悟している。ここ10年の間にはないレベル」と言う。
 患者減と並び、同院が頭を悩ませているのが、院内感染防止などに伴うコストの増大だ。施設入り口前の玄関スペースには、来院者の体温を測るために複数の看護師を配置。さらに、病院を出入りする人の発熱の有無をチェックするため、1階ロビーにサーモグラフィーを置いた。フェースシールドやガウンなど防護具の仕入れ量も増えているという。
 武田純院長は「24時間の救命救急体制などを維持していかなければならない中、収益減やコストの増大は病院経営にボディーブローのように効いてくる」と説明。その上で「病気の治療を『不要不急』と考え、受診を控える人が増えている可能性もある。持病の重症化リスクを抱えている人がいるかもしれず、新たな健康障害を生じさせかねない」と懸念している。