女子1位となり、東京五輪代表を決めた前田(東京・明治神宮外苑)

女子1位となり、東京五輪代表を決めた前田(東京・明治神宮外苑)

 2020年東京五輪の日本代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)は15日、東京・明治神宮外苑発着で行われた。10人で争われた女子は、15キロ過ぎで飛び出した前田穂南(天満屋)が後続との差を広げて優勝した。

 「仕掛ける準備はしていたが、いつの間にか後ろの選手がいなくなった」。20キロ付近からトップを独走した前田は、おっとりとした口調で言ってのけた。

 スタートから一山がハイペースを刻んだが、「出てくれたので良かった」と慌てない。長い手足ながらコンパクトなフォームで軽快に地面を蹴った。

 勝負が決まったのは20キロ過ぎ。すっと前に抜け出ると中間点で2位鈴木との差を9秒にまで広げた。仕掛けた意識はなく、「感覚で走った。折り返し地点で後ろと離れているのに気づいた」と、大舞台でもマイペースぶりは健在だった。

 大阪薫英女学院高時代は無名で全国高校駅伝も3年間控え。そこから「マラソンで世界と戦いたい」と実業団に身を置き、才能を開花させた。17年の北海道マラソンを制し、女子で誰よりも早くMGC出場権を手にした。

 そこからは五輪本番を見据え、スピードの切り替えやクロカンコースで自らを鍛えた。武冨監督は「体幹も良く、無駄が少なくなった。もう1ランク上げられたら」と期待を込める。

 レース中は意識していなかったという五輪について問われると前田は「金メダルを目指す」と宣言。一発勝負をものにした成長株は貫禄を増しつつある。