元植柳小をはじめ学校跡地で相次ぐホテル開発の問題点について語る登壇者(京都市下京区 ひと・まち交流館京都)

元植柳小をはじめ学校跡地で相次ぐホテル開発の問題点について語る登壇者(京都市下京区 ひと・まち交流館京都)

 学校跡地でのホテル開発が相次ぐ京都市の観光政策をテーマにしたシンポジウム「学校跡地は住民のたからもの」が15日、下京区のひと・まち交流館京都であった。ホテル建設に伴って指定避難所の校舎体育館が地下化される予定の元植柳小の学区住民らが登壇。ホテル建設の課題について語り合った。

 同小の跡地活用を巡っては、3事業者が提案した計画案を、市の選定委員会が非公開で審議。タイの高級ホテル誘致を掲げた安田不動産(東京)を契約候補事業者に選んだ。現在、同社、住民、市の3者の協議で計画の細部を詰めている。

 シンポで、計画に反対する住民グループ「植柳校跡地問題を考える会」代表の大屋峻さんは、有識者ら6人でつくる選定委員会に地元住民が1人しか入らず、議論の過程が非公開だった点を問題視。「大多数の住民が置き去りにされ、情報公開も全く不十分だ」と憤った。

 新設する地下体育館を地震時の避難所にする案については、「避難時に周囲の状況が分からず、お年寄りの上り下りにも支障が出るのでは」と危惧。「跡地がホテルに変わると、本当に地元ににぎわいが生まれるのか」と疑問を呈した。

 都市計画が専門の神戸松蔭女子学院大教授の中林浩さん=上京区=は「観光は庶民生活の充実があってこそだ」と強調。近年のホテルラッシュについて「非正規雇用を生みやすく、京都の長期的な発展を損なう恐れがある」とし、宿泊施設の総量規制を提言した。

 シンポは市民団体「きょうのまちづくり倶楽部」が主催し、約50人が参加した。