横断歩道が新設された三差路。左方に「明星っ子こども園」があり、右脇の歩道には待機場所や車の進入を防ぐポールもある(宇治市五ケ庄)

横断歩道が新設された三差路。左方に「明星っ子こども園」があり、右脇の歩道には待機場所や車の進入を防ぐポールもある(宇治市五ケ庄)

横断歩道ができる前の三差路。車の往来が多い中、左方にある「明星っ子こども園」に向かって園児らが横断していた=宇治署提供
※住所は同じなので、一本化してください

横断歩道ができる前の三差路。車の往来が多い中、左方にある「明星っ子こども園」に向かって園児らが横断していた=宇治署提供 ※住所は同じなので、一本化してください

 大津市で昨年5月、保育園児の列に車が突っ込み園児ら16人が死傷した事故から8日で1年が経過した。京都府山城地域ではこの事故を受け、過去に交通事故が起きた保育園・こども園近くの交差点の緊急点検が進み、横断歩道の新設や、散歩ルートを見直すなどの動きもあった。

 宇治市と久御山町を管轄する宇治署は昨年6月、過去5年間に死亡・重傷事故が発生した保育園やこども園近くの交差点など10カ所を選び、緊急点検を行った。同署交通課の西村智課長は「事故が起きる可能性が高い場所を優先的に調べた」と話す。
 点検対象の1カ所となった、「明星っ子こども園」(宇治市五ケ庄)の入り口に面する三差路。これまで横断歩道がなく、園児たちは交通量の多い市道を横切る形で登園していた。同園の清水芳美園長は「誘導員が停止を求めてもそのまま通過する車が多く、危険を感じていた」。
 宇治署と市、同園の職員らが昨夏に現地調査を実施し、昨年11月に横断歩道を付けた。幅約7メートルの車道を2メートルほど狭め、代わりに園入り口向かい側の道路脇に歩道を設け、車の進入を防ぐポールも立てた。「散歩から戻ってきた園児たちが横断を待つスペースを一定確保できた」と、西村課長。付近に保育園があると分かる路面標示も描かれ、清水園長は「スピードを出して走る車が減った。子どもの安全と安心につながっている」と喜ぶ。
 他の9カ所でも現地調査を行い、スピードを落とすようドライバーに注意喚起する看板を交差点付近に立てるなど、対策を講じた。
 城陽署も大津市での事故後、城陽市内に10ある認定保育園が利用する散歩ルート周辺で、過去5年間に起きた交通事故を調査。発生現場を全て書き込んだ地図を各保育園に提供した。同署交通課の豊田政志課長は「過去の事故は現場を見ただけでは分からない。散歩ルートの見直しに生かしてもらいたかった」と話す。
 さらに、この地図を基にして同署や市、全10保育園の関係者が、それぞれの散歩ルートを昨年9月下旬までに調べ直した。
 調査結果を踏まえ、鴻の巣保育園(同市寺田)や久世保育園(同市久世)近くの横断歩道では、消えかかっていた白線を新たに塗り替えた。また、2023年度に新名神高速道路の全線開通を控え、大型トラックの往来が多い府道などを散歩ルートから外した保育園もある。豊田課長は「関係機関と協力して、子どもの命を守る取り組みを続ける」と語る。
 同市子育て支援課は、保育施設周辺の道路でドライバーに注意を促す「キッズゾーン」の設置を現在検討している。大津市では昨年5月の事故後、路面に白い文字で「キッズゾーン」と塗装し、ドライバーに安全運転を呼び掛けており、同課は「保育園や地域住民の声を反映させながら、安全対策を進めていく」とする。