滋賀県に譲渡された日光菩薩像(右)と月光菩薩像。中央は大日寺所有の木造薬師如来坐像=「滋賀縣史蹟調査報告第五冊(調査員 文學史肥後和男)」より

滋賀県に譲渡された日光菩薩像(右)と月光菩薩像。中央は大日寺所有の木造薬師如来坐像=「滋賀縣史蹟調査報告第五冊(調査員 文學史肥後和男)」より

 滋賀県甲賀市信楽町の大日寺が神仏像14体を滋賀県に寄贈したことを巡り信徒らが対立していた問題で、仏像管理の対応方針を決める「住民投票」が16日行われ、返還を求めない意見が多数票を占めた。双方とも結果には異議を唱えないという。

 宮町地区によると、住民投票(全106世帯、1世帯1票)の結果「返還を求めない」73票、「返還を求める」23票、「どちらでもよい」と無効が計6票だった。投票率96・2%。開票に立ち会った弁護士は「民事調停が継続中であり、内容は言えないが、甲賀簡裁に報告して意見を述べる」と話した。寄贈を認める方向で解決するとみられ、差し止め請求で休止中の県の仏像修理も進みそうだ。

 仏像管理を担ってきた宮町区の山添克彦区長(66)は「地域対立が解消する。狭い地域なので仲良くしていきたい」、大日寺の仏像を守る会代表(85)は「残念だが、寄贈を認めざるをえない」と話した。

 14体は、県指定文化財の木造薬師如来坐像(ざぞう)が従える日光、月光両菩薩(ぼさつ)と十二神将。保存状態が悪く、修理に多額の費用負担がかかることが判明し、宗教法人大日寺が「将来も文化財として残すため公的施設で保管を」と昨年6月に県に無償譲渡したが、同会代表の元責任役員らが反発し、民事調停を申し立てていた。