新型コロナウイルスの影響で企業が自社宣伝を控えているためか、ACジャパンの公共広告をよく目にするようになった。その一つに、さだまさしさんの「関白宣言」を連想させる歌詞とメロディーが印象的なテレビCMがある▼飼い主に向けて、猫が上から目線で歌う。外に出すな。必要以上の数を飼うな。そして<忘れてくれるな 俺の頼れる飼い主は 生涯お前ただ一人>と▼ペットを飼うのには相応の責任が伴う。だが、もし世話したくてもできない状況になったら、どうすればいいのか。コロナ禍はそんな課題を突きつけている▼各地の動物愛護団体などに、自分が感染した時にペットを預かってもらえるかという飼い主からの相談が相次いでいる。預け先がほとんどなく、感染しても入院をためらうケースが出ているという▼海外ではペットの感染例が報告されている。他の動物にうつる心配から施設が預かりに慎重になるのは当然だろう。一方で、ペットを家族同然と考える飼い主は増えている▼災害時のペット対応で、環境省は東日本大震災後に作った指針で避難所への「同行避難」を推奨したが、ペットをどう受け入れるべきか、自治体など現場の模索は続いている。頼れる飼い主はただ一人だとしても、緊急時には皆で支える道があっていい。