新型コロナウイルス感染症対策で、政府が特別措置法に基づく緊急事態宣言を滋賀など39県で解除したのを受け、都道府県ごとの事業者への休業要請が相次ぎ解除・緩和されている。

 宣言が継続された京都、大阪なども、新規感染者数の減少など独自基準を満たしたとして休業要請の部分解除に踏み出した。
 感染防止と両立を図りつつ、縛っていた経済活動や日常生活を取り戻していくステップといえる。
 ただ、宣言や休業要請が継続する範囲には地域的なばらつきが生じ、府県を越えた人の移動などへの対応の難しさが懸念されている。引き続き休業要請される業種・業者は、先の見えない苦境に不安や不満が膨らみかねない。きめ細かな対応が求められる。
 京都府では、きょうから商業施設や図書館、映画館などの休業要請を解除した。小規模なパチンコ店や遊技施設も対象で、幅広い施設の再開は日常回復への第一歩を印象付けるものといえよう。
 政府判断による宣言継続の根拠とは別に、府独自に掲げた「新規感染者数5人未満」「感染経路不明者2人未満」といった4基準を直近7日間で達成したとして一部解除の理由とした。
 同様に独自の基準で部分解除を始めた大阪府、兵庫県と対象施設の足並みをそろえた形だ。近隣地域間の食い違いで利用客が集中するのを避けるのは妥当だろう。
 ただ、居酒屋など飲食店営業の2時間延長を認めたが、クラスター(集団的感染)の発生例のあるバーやライブハウスなどへの休業要請は据え置いた。
 身の回りの感染の実態や、要請を継続する根拠、どういう状況に至れば全面解除できるかなどを、より丁寧に説明して協力を得る必要があろう。
 宣言が解除された県も、一斉の休業解除による「緩み」防止に腐心している。
 滋賀では、県独自に3区分を設け、なお感染拡大の恐れのある「警戒」段階にあると説明。休業要請は解除するが、県境をまたぐ移動や、接待を伴う飲食店などの利用の自粛を求めた。近接する京都、大阪からの人の往来で感染再拡大を招かないよう、慎重な対応を図るのはうなずける。
 海外では、外出や経済活動の制限緩和後、再び感染者が増える例が目立っている。業界や店ごと、客や働く立場からも密閉・密集・密接の「3密」を避ける取り組みを定着させていく必要があろう。