新型コロナウイルスの陽性患者らのケアにあたっている看護師。現場の状況や感染への不安を語った。

新型コロナウイルスの陽性患者らのケアにあたっている看護師。現場の状況や感染への不安を語った。

 京都府北部の病院で新型コロナウイルスの陽性患者らのケアにあたっている看護師の女性がこのほど、京都新聞社の取材に応じた。感染リスクがある中での勤務に「もしかしたら自分も感染しているかも」と不安を募らせ、医療従事者に対する差別や偏見への恐れを抱える。院内の人手が不足する現状も訴えた。


 女性はこれまで、入院した患者数人と関わった。軽症から中等症が多く、重症化した人もいた。吸入薬などでの治療のほか、高熱が出れば解熱剤を処方されているという。熱は40度になることもあり、「発熱を繰り返す人もいる。熱冷ましを飲んでもまた出たり、せきこんだりするのはしんどそう」と話す。最近は味覚障害や嗅覚障害のケースもみられたという。
 病院には府北部以外からも陽性患者が来ており、2週間弱ぐらい入院する人が多い。検温や食事の手配、患者のベッド回りやトイレの清掃、ごみの収集など身の回りの世話をしており、「防護服やマスクを着けていると息苦しくなることもある」。おむつの交換や食事介助が必要な人もいた。
 病棟はゾーン分けされており、防護服やフェースシールド、医療用N95マスク、二重の手袋などを着けてケアにあたる。供給が不足する中、手術着とビニールエプロンを着けたり、シューズカバーの代わりに長靴を履いたりしている。1日数枚使っていたN95マスクも今は最低2日使う。
 「もしかしたら自分が感染しているかもしれないというのは意識して行動している。感染してもさせてもいけない」。外出自粛が厳しくなかった時から自宅の外に出るのは控え、美容室にも行っていない。実家にも帰らず、親からは感染を心配する電話もある。同僚の中には、看護師が防護服を着ていても感染したニュースを見て「怖い」「辞めたい」とこぼす人もいるという。
 医療従事者への差別や偏見の問題が起きている。自身は被害を受けたことはないが「美容室や(診察で)病院に行った時にそういう目に遭ったらどうしようとか、そういう目で見られているかもしれないとかは思っている」と不安を打ち明ける。「同僚で子どもの行事に出られなかったという人はいた」とも話す。
 新型コロナの対応が増え、人手不足を痛感している。職場で人の入れ替わりがある春は「とにかく忙しく余裕がなかった。休みたくても休めなかった」と振り返る。国の緊急事態は解除の流れにあるが、医療現場の緊張感は抜けない。「重症の人を見ていると、とにかく手洗い、うがい、マスクなど最大限の予防をして気を付けてほしいと思う」と訴えた。