東京や大阪などでタワーマンション(タワマン)を見上げると、繁栄の象徴のように感じられる。ところが、その建設を規制しようという動きが出てきた。

 神戸市が、中心部ではタワマンを建てられなくする条例改正を行った。来年7月の施行を予定している。

 市内にタワマンが林立するようになれば、人口減社会にあっても人口増が期待できるのに、なぜ規制しなければならないのか。

 タワマンについて法的な定義はないが、不動産業界などでは20階建て以上の集合住宅をそう呼んでいる。高さ60メートル以上の建物を「超高層建築物」といい、階数にすると20くらいになるからだ。

 1997年の規制緩和で、階段やバルコニーといった共用部分を容積率に含めなくてもよくなったことなどを受けて、都心部や鉄道沿線で急増した。

 一方で、周辺住民の生活環境への影響、インフラや公共施設の整備、災害時の孤立化などに、どう対応するのか、課題もある。

 神戸市では、2011年のピーク時には154万人を超えていた人口が、現在は152万人台に落ち込んでいる。大型なものでは、1棟に千戸以上もあるタワマンの建設は、人口減少への有効な対策となりうる。

 それが今回の条例改正では、繁華街のJR三ノ宮駅南側の22・6ヘクタールにおいて、一戸建てを含む住宅建設を原則禁止とする。また、JRの新神戸駅や元町駅などを含む周辺の292ヘクタールでは住宅用建物の容積率を制限し、高層マンションはほぼ建てられなくなる。

 子育て世帯の流出を防ぐ目的で、京都市が一部地域で進める高さ規制や容積率の緩和とは、真逆ともいえる施策だ。

 都心には商業施設やオフィスを誘導し、就業人口を増やす狙いがあるという。そのことで、市北部など郊外の人口が、これ以上減らないようにする。

 タワマンが増えなければ、異国情緒のある町並みや、六甲山の眺望も守りやすいだろう。

 市全体のバランスを考慮して、過度な都心集中を避ける新たな流れとなるのかもしれない。

 これに対し、都心に居住したい郊外の住民が近隣都市に移ってしまい、人口減を招くので、逆効果だとする指摘もある。

 神戸はいうまでもなく、京都はじめ他の政令市などは、規制の効果とまちの変わりようを、しっかりと見届けておきたい。