大宮交通公園に展示されているC160蒸気機関車(京都市北区)=同市提供

大宮交通公園に展示されているC160蒸気機関車(京都市北区)=同市提供

1964年ごろに加悦駅で撮影された現役のC160(NPO法人加悦鐵道保存会提供)

1964年ごろに加悦駅で撮影された現役のC160(NPO法人加悦鐵道保存会提供)

 1966年まで加悦鉄道で走り、現在は大宮交通公園(京都市北区)で展示されているC160蒸気機関車が50年ぶりに京都府与謝野町へ「里帰り」する。旧加悦駅舎を活用した加悦鉄道資料館(同町加悦)に移設する。

 C160は42年製造。戦時の貨物輸送に特化した車両で、車体と燃料や水を積むタンクが一体化している。太平洋戦争中は主に大江山鉱山から工場までのニッケル輸送に利用され、戦後は旅客輸送にも使用された。NPO法人加悦鐵道保存会理事長の吉田博一さん(57)によると、製造元は戦中戦後の物資難の時期に低品質の蒸気機関車を大量に生産。「長く活躍した車両はほとんどない中、C160は生き残った貴重な1両で産業文化遺産といえる」という。

 C160は廃車後に同市が購入し、同公園が開園した69年から展示を続けてきた。しかし、今回、施設の老朽化や消防署の移転による再整備に伴い、同町へ無償譲渡することが決まった。

 「帰郷」は年内の予定。同館へ移設後は指定管理者の同会が維持管理を担う。町観光交流課は「旧駅舎とC160を一緒に見ることができ、施設の魅力も高まるはず。地域が盛り上がる起爆剤になれば」と期待を寄せている。