本当に安くなるのか、よく分からないという人が多いのではないか。

 携帯電話大手3社の10月以降の新たな料金プランと端末販売策が出そろった。通信契約と端末のセット販売を禁じる改正電気通信事業法の施行に合わせた対応だ。

 「高止まり」とされる料金の引き下げを掲げる政府主導の新規制を受け、3社とも割安プラン導入や違約金の減免などを打ち出した。

 ただ、恩恵を受けられる利用者の条件が複雑なうえ限定的で、新規制の抜け穴を突くような販売方法も見受けられる。

 大手間の横並び意識と顧客の囲い込み優先の姿勢は相変わらずという印象を拭えない。利用者から期待外れとの声も聞かれよう。

 通信料金は、端末の値引き分を上乗せするのが主流だったが、セット販売禁止に伴って分離し、3社は従来より最大3~4割安い新プランを6月までに導入した。

 「2年縛り」契約を途中解約する違約金(9500円)の見直しは対応が分かれ、NTTドコモとKDDI(au)は新規制の上限の千円に下げ、ドコモは無料のプランも用意。ソフトバンクは2年縛りと違約金を廃止する。

 いずれも利用者の負担減となるが、大幅な値引きプランには家族での加入など条件が多く、恩恵は限られる。10月に参入予定だった楽天に対抗する再値下げも見込まれていたが、楽天のサービス開始の遅れを受けて3社とも見送り、そろって様子見をしている。

 さらに問題視されているのが、KDDIとソフトバンクの新たな端末販売策だ。回線契約がない人も端末代金を最大で半額値引きするが、自社回線しか使えない「SIMロック」が100日間かかり、他社では使いにくい。

 自社契約者へのスマートフォンの値引きを最大2万円とする新規制をすり抜ける手法といわざるをえない。総務省は「実質的な囲い込み」として、10月下旬にも業界向け指針でロックの即時解除を義務付ける方針だ。

 ただ、本来は自由競争であるべき料金を政府がこと細かく規制するのは正常といえない。端末買い替えをてこに顧客を縛り、囲い込むビジネスモデルの転換が業界自身に問われている。

 携帯・スマホは、日常の暮らしや災害時の情報収集、記録、決済の手段としても重要な生活インフラとなっている。各社は、利用者に分かりやすく、納得性の高い料金体系や魅力的なサービス、安心して使える品質を競ってほしい。