4月から出入り口が一本化される京都地裁の正面玄関(京都市中京区)

4月から出入り口が一本化される京都地裁の正面玄関(京都市中京区)

京都地裁が来春導入予定の入庁方式

京都地裁が来春導入予定の入庁方式

 京都地裁(京都市中京区丸太町通富小路西入ル)が4月1日から、警備強化のため入庁者の手荷物検査を実施することがこのほど、分かった。庁舎の出入り口は、四つある玄関のうち、丸太町通に面した北側の正面玄関に一本化する。一方、京都弁護士会は、手荷物検査や出入り口の一本化は地裁が掲げる「市民に開かれた裁判所」の趣旨に反するなどとして、変更を求めている。

 一昨年6月、仙台地裁で判決の言い渡しを受けた保釈中の男性被告が、傍聴席にいた警察官を刃物で切りつけた事件などを受け、全国の裁判所で警備強化が進んでいる。最高裁によると、すでに東京や大阪など13の裁判所で手荷物検査を実施しており、昨年は新たに横浜と神戸の裁判所が導入した。

 京都地裁も「来庁者が安心、安全に裁判所を利用できるようにするために速やかに入庁検査を実施する必要がある」(総務課)と導入を決め、昨年11月から弁護士会や検察庁などへの説明と意見の聴取を始めた。

 計画では、四カ所ある出入り口を、北側の正面玄関に一本化し、一律に金属探知機とエックス線手荷物検査を実施する。弁護士らは、身分証の提示などで検査を不要とする方針。市民にはホームページなどで周知を図るという。

 一方、京都弁護士会は昨年12月20日、来庁者への一律の所持品検査は過剰などとして、計画の変更を求める要望書を地裁に提出した。

 要望書では、所持品検査は来庁者に制約を課すことになり、市民に開かれた裁判所として四方に玄関を設けた京都地裁の設計趣旨に反すると主張。プライバシーや人格権を侵害する恐れがあるため、検査は必要最小限にすべきだとしてる。

 出入り口の一本化は、地裁が保護命令を出すDV事案(配偶者暴力)で加害者が待ち構える恐れがあることや、法律関係者が北側玄関を利用する頻度が低い点を問題視する。

 また、大阪地裁の男性警備員が車いすの来庁女性にボディーチェックしたり、電動車いすに備えてあるドライバーが危険物とみなされ退庁まで取り上げられたりした例を挙げ、所持品検査や入庁方法の変更について市民に意見公募すべきとしている。

 京都地裁は、市民への意見公募は予定していないとし、「弁護士会の要望書を踏まえ、さらに検討する」としている。

 行政機関の危機管理に詳しい同志社大の真山達志教授(行政学)は、裁判所は他の公共施設に比べ警備の必要性は高いとした上で「出入り口の一本化は予算の関係なのだろうが、一定の資源と予算を投じなければ、検査の受け手側は不便を感じ、安全確保の目的も達成できない。独断的な判断にならないよう、裁判所は関係機関に十分に意見を聞くべき」としている。