滋賀県内で最も地価が高かったJR大津駅近くの商業地(右手前)。通りの反対側では高層マンションの建設が進む=大津市

滋賀県内で最も地価が高かったJR大津駅近くの商業地(右手前)。通りの反対側では高層マンションの建設が進む=大津市

 滋賀県が19日に発表した7月1日時点の県内の基準地価は、京都や大阪のベッドタウンとして人気が高い県南部のJR主要駅周辺で上昇幅が拡大したものの、東部や西部では下落傾向に歯止めがかからず、地域間の格差が鮮明になった。同じ市町内でも駅前に比べて郊外の落ち込みが目立ち、都市部との二極化が一段と進んだ。

 住宅地は全用途と同じく11年連続のマイナスとなり、全体の押し下げ要因となった。ただ下落幅は前年から横ばいで、一部の市町では縮小もみられた。

 滋賀県内のトップはJR瀬田駅に近い大津市一里山3丁目で、16年連続。他にも大津、草津両市のJR駅に近い地点が上位を占めた。上昇幅では南草津駅が最寄りの草津市東矢倉2丁目が最大となった一方、下落幅では大津市大平2丁目をはじめ同市郊外の3地点が上位10地点に入った。3地点ともJR線から離れており、県地価調査代表幹事を務めた小西靖則不動産鑑定士は「主要駅に近く、傾斜地でない平地の評価が高い」と指摘する。

 商業地は6年連続のプラスと需要が底堅く、上昇幅拡大は2年連続と上向き基調が続いた。特に駅前の商業施設やマンション建設に適した地域を抱える草津市で前年比1・9ポイント増の3・9%と大幅に伸び、上昇率上位も同市の地点が半数を占めた。県内トップはJR大津駅前の大津市梅林1丁目で、13年連続。

 下落幅上位の10地点をみると、高島市4、甲賀市3、東近江市2、長浜市1と県東北部と西部の地点が多く並んだ。

 全国的な地価上昇の主因は増え続ける訪日外国人観光客を見込んだホテルや店舗の建設需要だが、滋賀県内への波及効果は限定的で、むしろ京阪地域からの人口流入によるマンション需要の影響が大きい。小西鑑定士は今後の見通しについて「県南部の湖南エリアがけん引する流れは当面変わらないが、消費税増税後の住宅購入の反動減や経済情勢は予測できず、地価の先行きは不透明」とする。