給特法の勉強会で、萬井名誉教授(左)の話を聞く学生ら(京都市南区)

給特法の勉強会で、萬井名誉教授(左)の話を聞く学生ら(京都市南区)

 教育学を学ぶ京都の学生らが、ブラックとも評される学校の労働環境を考える団体「Teacher Aide(ティーチャーエイド)」を立ち上げ、教員の働き方に関する勉強会などを開いている。活動に賛同した全国の学生らが各地に支部を設立し、教育現場の改善に向けたうねりをつくっている。

 8月上旬、京都市南区のカフェで公立学校の教職員の給料について定めた法律「給特法」の勉強会がティーチャーエイド主催で開かれた。同法に詳しい龍谷大の萬井隆令(よろいたかよし)名誉教授が講師を務め、教員の「サービス残業」を引き起こしているとされる同法の解釈を巡る問題点を解説。参加した教員志望の学生約20人は熱心にメモをとったり、質問したりした。

 ティーチャーエイドは京都大大学院で教育認知心理学を専攻する櫃割(ひつわり)仁平さん(24)=下京区=と京都教育大大学院で幼児教育について研究する遠藤寛佑さん(24)=カナダに留学中=が昨年12月、立ち上げた。きっかけは教員になった友人が「しんどい」と漏らしたり、体調不良になったりしたためだ。櫃割さんは「教員を助けたい、という思いが出発点。先生が幸せでないと、良い教育もできないと考えた」という。

 活動は全国に広がっている。同じ考えを持った学生が各地に20の支部を立ち上げ、専門家を招いた勉強会や教員の働き方に関するドキュメンタリー映像の鑑賞会を開催。支部同士がSNSで情報交換しているほか、学生の思いを文部科学省などに届けるため、教育現場に対する不安や疑問の声を集めるプロジェクトを支部の垣根を越えて実施している。

 櫃割さんは「学校は現在、特殊な労働環境になってしまっているが、教員の働き方に関する法律や制度、実態について教員を目指す学生が知る機会がない」と指摘。「労働に関する正しい知識を学生のうちから身につけてもらう一方で、教育問題の責任の多くを学校が負いがちである風潮に一石を投じ、社会全体で子どもを教育するという流れに変えていければ」と話している。