とぼけた表情の獅子・狛犬など、味わい深い作品が並ぶ会場(20日午後2時48分、京都市下京区龍谷ミュージアム)

とぼけた表情の獅子・狛犬など、味わい深い作品が並ぶ会場(20日午後2時48分、京都市下京区龍谷ミュージアム)

 京都市下京区の龍谷ミュージアムで21日から、秋季特別展「日本の素朴絵」(京都新聞など主催)が始まる。20日の内覧会では、ゆるく、かわいいタッチの絵巻や掛け軸、仏像などが披露された。

 西洋など多くの文化圏では精巧な芸術作品が珍重されがちだが、日本では正統派の美術と並んで、素朴でかわいらしい作品も古来多く作られてきた。展覧会はこの日本ならではの価値観に着目し、脱力系の「ふにゃふにゃ」、おおらかな「ピュア」など、現代人の感覚に訴える素朴な作品98点を紹介する。

 「付喪神(つくもがみ)絵巻」は器物のお化けが楽しく遊び、社寺の魅力を伝えた参詣曼荼羅(まんだら)は遠近法を使わない建物の表現が味わい深い。奇妙な生物「クタヘ」の出現を伝える絵は、うまくない分、目撃者の驚きがリアルに感じられる。

 白隠、仙厓ら近世の知識人による禅画は「かわいさ」を意識して描かれ、当時も人気があったという。腹部が愛らしい力士の埴輪(はにわ)、子どもの粘土細工のような狛(こま)犬、のっぺりした顔の薬師如来坐(ざ)像など、立体作品も面白い。

 11月17日まで。展示替えあり。有料。