京都府長岡京市長選で無所属現職の中小路健吾氏が再選された。無所属新人の堀川圭太氏との一騎打ちを大差で制した。

 中小路氏は前回選挙で、京都府議時代の民主党を離党し、政党推薦を受けずに初当選した。今回は市議会与党会派に当たる自民、立憲民主、国民民主、公明各党の支援を受けた。

 まちづくりの方向性を打ち出した1期目の市政運営が評価され、次の4年間への手腕に期待が集まった結果といえる。大勝とはいえ批判も謙虚に受け止め、山積する課題に果敢に取り組んでほしい。

 ただ、投票率が前回を大きく下回り、過去3番目の低さだったことは見過ごせない。

 選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて初の市長選だった。暮らしに直結する自治体の長を選ぶ選挙が低調だったのは残念である。

 選挙構図もその要因の一つではないか。共産党を除き、国政で対立する主要与野党が中小路氏を支持し、「非共産対共産」の現新一騎打ちとなった。相乗りもあってか論戦は盛り上がりに欠いた。

 棄権した6割以上の民意をくみ取るためにも中小路氏は現場に積極的に足を運んで市民との対話に一層力を入れなくてはならない。

 まず待ち受けるのが公約に掲げた「まちの新陳代謝」の実現だ。 市制施行後46年がたつ長岡京市は高度成長時代に建設された公共施設が老朽化している。計画中の市役所庁舎建て替えなど都市基盤整備を着実に進める必要がある。

 長年の懸案だった阪急長岡天神駅周辺整備は緒についたばかりだ。地元の合意形成に目配りし、市中心部の活気を取り戻すための筋道をつける実行力が問われる。

 大型事業への投資は借金に頼らざるをえない。財政の均衡を保ちつつ、市の将来を見渡す先見的な施策を展開する努力が必要だ。

 市の人口は約8万1千人で微増が続くが、子育て支援や健康長寿への対応など定住を促す環境づくりが急がれる。観光や防災、福祉行政では広域連携も重要となる。

 中小路氏は市長に就いてから協調を重視する手堅い市政運営を進めてきた。今回の選挙で支持政党が広がった背景にはこうした政治姿勢が評価されたこともある。

 だが手堅さやバランス感覚だけでなく、変化の時代に対応するには、市をさらに引っ張り、前へ進めていく行動力も求められるだろう。まだ45歳と若く、府議経験もある。2期目は、より鮮明な中小路カラーを打ち出してほしい。

(京都新聞 2019年01月15日掲載)