アニメーター夫婦の歴史をつづった本「漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一」と、インタビューを行った藤田さん(精華町光台)

アニメーター夫婦の歴史をつづった本「漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部羊一」と、インタビューを行った藤田さん(精華町光台)

 放送中のNHK連続テレビ小説「なつぞら」のヒロインのモチーフになった女性と、その夫でアニメ「アルプスの少女ハイジ」などで作画監督を務めた男性の仕事や夫婦生活をつづった本「漫画映画漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部(こたべ)羊一」がこのほど出版された。日本のアニメーションが花開こうとしていた時代の創作の裏側や、共働きへの理解が進んでいなかった当時の子育てについて、本人や関係者の話からひもといている。

 本で焦点を当てるのは、女性アニメーターの先駆者の1人とされる奥山玲子さん(1935~2007年)と、夫で任天堂で「スーパーマリオブラザーズ」のキャラクターデザインなども手がけた小田部羊一さん(83)。

 アニメのアーカイブ活用を提案する会社「ワンビリング」(京都府精華町光台)代表の藤田健次さん(51)が、小田部さんらにインタビューし、小田部さんとの共著としてまとめた。

 奥山さんと小田部さんは東映動画(現・東映アニメーション)で出会い、共にアニメーターとして活躍。同時期には宮崎駿さんや、昨年亡くなった高畑勲さんらも在籍した。

 本では、会社での仕事の様子や作品作りの裏側、ハイジやマリオのキャラクター誕生秘話を紹介。創作現場の話にとどまらず、2人の出会いやなれそめ、互いに仕事が忙しい中で協力して子育てをしたエピソードなど、プライベートな部分も掘り下げて小田部さんから聞き取っている。

 他にも、奥山さんと同時期にアニメーターとして東映動画に在籍した宮崎駿さんの妻・朱美さんら2人を知る6人のインタビューも掲載。東映動画時代に撮影された貴重な写真と合わせて紹介している。

 藤田さんは「アニメの歴史だけでなく、1人の女性が子育てをしながらどのように働いたのかも共感して読んでもらえる」と話す。講談社刊。四六判、242ページ。1500円(税別)。