存続が危ぶまれているおおえ駅前商店街。駐車場の片隅には、街のシンボルだったケヤキの木が伐採され、横たわっていた(12月中旬、京都府福知山市大江町河守)

存続が危ぶまれているおおえ駅前商店街。駐車場の片隅には、街のシンボルだったケヤキの木が伐採され、横たわっていた(12月中旬、京都府福知山市大江町河守)

 京都府福知山市大江町の「おおえ駅前商店街」が、解散の危機に直面している。度重なる水害や買い物客の減少などで、営業店舗は創業時の半数以下に減少。施設管理に充てる会費の徴収が難しくなり、シンボルだったケヤキ並木も伐採された。旧大江町時代に行政主導で造られ、町民に親しまれた「まち1番の商業エリア」は、このまま時代の波にのまれてしまうのだろうか。

 目の前の国道には多くの車が行き交う。昨年12月中旬、年末のかき入れ時だが、店舗を訪れる人は少ない。昨夏の西日本豪雨被害では床上約1・5メートルまで浸水する被害に遭い、喫茶店と酒店が営業を再開できないままシャッターを閉じている。

 近くに住む主婦(88)は「昔は多くの店舗があって、便利でにぎわっていたのに」とため息をつく。現在、営業している商店は4店舗。コインランドリーの新築も豪雨の後に破談となったという。駐車場の片隅には、11月に切り倒されたケヤキが無造作に積まれていた。

 同商店街は、宮福鉄道(現・京都丹後鉄道)大江駅開業翌年の1989年、書店や電気店、雑貨店など9店舗で開業。旧大江町が町有地を提供し、駅前の活性化を目指した一大事業だった。衣料品店を営む男性(80)は「駅前から町を盛り上げるんだという気概に満ちていた」と往時をしのぶ。

 一帯は由良川沿いに位置し、過去に何度も水害に遭ってきた。町からの支援が手厚く、地元の声も行政に届けやすかった旧町時代と比べ、2006年の福知山市との合併以降、行政との関係が希薄になったと感じる店主は多い。「以前は、町職員らが被災店舗の復旧を手伝ったり、イベント向けに町有地を貸してくれたりして、行政との一体感があった」と商店街の岡本芳樹代表(71)は振り返る。西日本豪雨では商店街から要請するまで市の被害視察や見舞いはなかったといい、「田舎の商店街なんてどうでもいいのだろうか…」とうつむく。

 商店街は、商業振興や治水対策の推進を要望しているが、市は「特別の支援策は考えていない」(市産業観光課)、「(商店の)かさ上げ工事は難しく、内水氾濫対策もいつ完了するか見通しがつかない」(土木建設部)とする。

 駅前の衰退は、住民の不便や、地域のさらなる過疎化を招く。店主らの切実な訴えを、地元行政としてどう受け止めるかが今、問われている。

 「店を閉めるのはやっぱり悲しい。でも、水害対策や支援策が白紙の状態では、続ける気力が湧かなかった」。喫茶店の元店主の男性(75)は、昨夏まで住民の憩いの場としてにぎわった店舗を片付けながらつぶやく。同商店街は、店舗減やイベント実施の困難を受け、2月にも組織を解散するかどうか正式決定する。