ホテル化計画のある元植柳小(奥)。手前の公園地下に避難所の体育館を新設する計画だったが、事業者から修正案が示された(京都市下京区)

ホテル化計画のある元植柳小(奥)。手前の公園地下に避難所の体育館を新設する計画だったが、事業者から修正案が示された(京都市下京区)

 京都市下京区の元植柳(しょくりゅう)小跡地でのホテル開発で、指定避難所となっている体育館を地下に再整備する計画を巡り、事業者の安田不動産(東京)が地下化を撤回する案を地域住民に示していることが分かった。地下化に対する住民の反対や懸念の声の高まりを受けて、ホテル隣接の地上に屋内運動場を建設する方向で調整を進めるとみられる。

 地下体育館建設を撤回する案は、地域住民、市、安田不動産による3者協議会の1日夜の会合で同社が説明した。修正案によると、ホテルの真横に新設するという屋内運動場は床面積450平方メートルで、水害時の浸水を避けるために2階建ての2階部分に造り、1階は倉庫や機械設備に充てる。
 安田不動産は京都新聞社の取材に対して「地域の方々の要望を聞き、再検討した結果の提案」(担当者)としている。
 9年前に閉校した同小の跡地活用については、3事業者が提案した計画案を市の選定委員会が非公開で審議。タイの高級ホテル誘致を掲げた安田不動産を今年2月、契約候補事業者に選んだ。
 同社の提案には、指定避難所の校舎体育館を近くの公園地下に再整備する内容が含まれていたため、住民の中から「地下では災害時に周りの状況が分からない」「停電でエレベーターが止まったら高齢者や障害者の移動はどうするのか」といった不安や反発の声が出ていた。
 市は地下体育館の建設を前提に、水害時と地震時の災害別にホテルと地下体育館を使い分ける避難手順を住民に説明してきた。地下体育館が撤回されれば、市の想定していた避難手順を変更する必要が生じる。
 計画に反対している住民グループ「植柳校跡地問題を考える会」の大屋峻代表は「地下体育館の撤回は当然だ」とした上で、「事業者と市の対応はあまりにお粗末だ。もし撤回されれば、地下体育館を含む提案を選んだ選定委員会の議論の前提も崩れるのではないか。広く住民に公開の場で選定をやり直すべきだ」と話す。
 修正案を住民側が受け入れるかどうかは今後の3者協議会の場で決めるという。