「なぜ大人は分からないの」―。地球温暖化に歯止めをかけるよう訴える若者の声に、しっかり耳を傾けたい。

 米ニューヨークの国連本部で、若者気候サミットが初めて開かれた。世界各地のグループが温暖化対策のアイデアや今後の取り組みを発表した。

 20日には世界の若者が一斉抗議行動を展開した。日本や欧米など150カ国以上で数百万人が参加したとみられ、過去最大規模となった。

 欧米諸国だけでなく、災害などで温暖化の影響に直面するアジアや中東の国でも多くの若者が声を上げたのが特徴だ。

 温暖化が世代間の公平性に関わる問題だという認識の広がりが背景にある。

 生命を脅かすような異常気象や自然災害が一層深刻になると予想されている。それなのに、大人たちは化石燃料を大量に消費する社会をひきずっている。

 そんな不満が大きなうねりとなり、世界規模の活動となった。「このままでは未来が奪われる」という強い危機感からだろう。

 運動の火付け役となったのは、スウェーデンのグレタ・トゥンベリさん(16)だ。

 学校を休んで抜本対策の必要性を訴える「学校ストライキ」を一人で始め、危機を説く次世代の「顔」として共感を集めた。

 サミット開幕式で、トゥンベリさんは「若者の動きは止められない」と強調した。アルゼンチンの男性(19)は「政治のリーダーは根本的に政策を変える義務がある」と主張した。

 若者たちは、地球温暖化の理解促進と対策強化のため政治家や社会への働きかけを加速させることを確認した。国連気候行動サミットで議論の結果を伝える。

 世界の平均気温は既に産業革命前と比べ約1度上昇したが、国際的な対策は遅れている。

 猛暑や豪雨、干ばつの頻度が高まっている。食料や水資源の不足が拡大する恐れがある。

 だが、トランプ米政権は国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明した。日本も二酸化炭素の排出が特に多い石炭火力発電の活用方針を維持し、「脱炭素」の流れに逆行している。

 国連気候行動サミットで日本はグループの議長役を依頼されたが引き受けなかったという。残念と言わざるをえない。

 問題の解決を次世代に丸投げすることは許されない。求められるのは責任ある大人の行動だ。