全国の地方自治体で働く臨時・非常勤職員の多くが、法改正に伴い来年4月から新たな身分「会計年度任用職員」に移る。京滋でも関連条例の整備が進んでいる。

 身分移行の対象となる職員が多いのは、役所の事務職のほか、教員、保育士、給食調理員、図書館職員などだ。住民に最も身近な公務員であり、こうした公共分野はいまや非正規職員なしには立ち行かないといっていい。

 会計年度任用職員には期末手当(ボーナス)が支給されるほか、経験に応じた昇給も可能になる。国は、非正規職員の待遇を改善し、役割や義務を明確化することが今回の地方公務員法と地方自治法改正の目的だとしている。各自治体は働く人たちの声を聞き、着実に改善を進めてほしい。

 多くの人が正職員に近い働き方をしているにもかかわらず、給料や各種手当、休暇などに差をつけられている現状は「官製ワーキングプア」と批判されてきた。

 新たな身分になっても、財政に余裕のない自治体では、勤務時間の削減や「雇い止め」が進むのではないかとの声が職員や住民から上がっている。

 大津市では、学童保育指導員(非常勤職員)の勤務時間と給与を2割減らす案が今夏に表面化、人材流出を心配する児童の親たちが署名活動を展開し、後に市が軌道修正した。同市では36カ所の市民センター(市役所支所兼公民館)の職員削減も持ち上がっており、今回の法改正の影響の有無を市民が注視している。

 地域に不安や疑問の声があるなら、自治体は真摯(しんし)に耳を傾け、対応する必要がある。合理化・効率化を進めるにせよ、人を大切にしない改革は、当該自治体の行政能力を低下させかねない。

 必要な人件費はしっかり付け、無駄遣いのチェックを一段と厳しくしてめりはりを利かせたい。国が予算面で自治体を適切に支援することも必要だろう。

 非正規比率の高い分野が文教、福祉など、女性の多い職場である点も見逃せない。地方自治体の非正規職員は2016年時点で約64万人。うち4分の3が女性だ。

 期末手当が出るとはいえ、今回の身分移行では正職員との月々の給料差は埋まらず、手当を加算しても依然、フルタイム勤務で年収200万円前後の水準にとどまる人が多いとみられている。女性活躍推進、また「同一労働同一賃金」実現の観点からも、一層の待遇改善を急ぐべきだ。