2カ月近く続くSTAYHOME期間、生活のなかに新しい習慣やなつかしい当たり前がいくつか増えた。寝室とリビングに置いた鉢植えにマグカップで水をやること、お風呂上がりにストレッチをすること、朝起きてポプリの入った小さな皿を揺すって匂いを立ち上がらせること。そのなかのひとつが牛乳を飲むことだ。大学生になって実家を出て以来、ちょうど10年ぶりに帰ってきた、生活のなかの当たり前のこと。

 きっかけはSNSでローソンの牛乳のパッケージが新しくなった、という記事を読んだことだ。うっすらとした茶色のバックに水色が映えるとてもかわいいパッケージには、中国語とハングルの表記が日本語と同じように並んでいる。

 そのちょっとしたやさしさにとても感動してしまったのだ。そのやさしさがたくさんの人に手を差し伸べるように、僕たちの暮らしももっともっとやさしくなれたら。僕は僕にできることで、そんな世界に少しでも自分の暮らしを近づけてみる。誰にでもできることが当たり前のようにある。

 ひさしぶりに冷蔵庫のなかの風景になったミルクはなんだかとてもやさしい顔をしていて、毎朝僕は少しだけ、友達と電話したような気持ちになれる。