故加藤周一さんが指摘した日本文学の特徴について説明する作家の池澤夏樹さん(京都市北区・立命館大衣笠キャンパス)

故加藤周一さんが指摘した日本文学の特徴について説明する作家の池澤夏樹さん(京都市北区・立命館大衣笠キャンパス)

 戦後日本を代表する評論家、故加藤周一さんの生誕100年を記念したシンポジウムが23日、京都市北区の立命館大衣笠キャンパスであった。国内外の識者らが、国際的な視野で日本の近代化を問い続けた加藤さんの思想を解説し、次世代へ引き継ぐ意義について参加者たちが考えた。

 中国社会科学院の孫歌さんは、加藤さんが中国文学者の竹内好や政治学者の丸山真男らと対談したことを紹介し、「加藤周一は非常にユニークな形で現代日本思想の主体形成の中で一つのパターンを代表した」と指摘。「対談という様式で私たちは加藤のユニークな構想を求めながら、彼の戦後思想の中で果たした役割をもう一度考えてはどうか」と呼び掛けた。

 作家の池澤夏樹さんは、加藤さんの代表作「日本文学史序説」から、加藤さんが示した日本文学の特徴の見い出し方に触れ「彼は日本と他国の文学を常に比較し、相互の関係から日本文学の特色を抽出し、相対化によって客観性を担保した。そこが加藤周一たるゆえん」と強調した。

 シンポは立命館大加藤周一現代思想研究センターなどが催し、市民ら約320人が参加した。