息子と二人三脚で歩んだ経験を話す辻井いつ子さん(滋賀県草津市野路6丁目・草津クレアホール

息子と二人三脚で歩んだ経験を話す辻井いつ子さん(滋賀県草津市野路6丁目・草津クレアホール

 全盲のピアニスト辻井伸行さんの母いつ子さんの講演会が23日、滋賀県草津市野路6丁目の市立草津クレアホールであった。わが子の生まれつきの障害に戸惑いながらも、伸行さんが20歳で国際ピアノコンクールで優勝を果たすまでの二人三脚の経験を語った。

 いつ子さんは「できないことを嘆くのはやめよう。彼が好きなことを伸ばそう」と、幼い伸行さんが童謡全集を遊び感覚ですぐに弾けたことから、実家のピアノを与えて教室に通わせたと語った。

 また、スキーや乗馬にチャレンジしたいと伸行さんが言えば、周囲の反対を押し切ってでも背中を押したことや、コンクールでの失敗を指摘しなかったことなどを挙げ、「子どもは無条件に親にほめてもらいたいものだから」と話した。

 伸行さんは2009年のバン・クライバーン国際ピアノコンクールで日本人初の優勝者に。「ピアノは視覚障害者に一番不向きだとも言われたが、人間の持つ計り知れない可能性を彼が教えてくれた」と振り返った。

 講演は草津市人権擁護推進協議会などの主催で、市民約650人が耳を傾けた。