京都大

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 放射線がDNAやRNAなどを構成する化合物「リボチミジン」を破壊する仕組みの一端の観測に成功したと、京都大などのグループが15日までに発表した。放射線照射時に生じる電子が、リボチミジンの構造内の特定の化学結合を切断していたといい、正常な細胞の損傷を防いだり、がん細胞を効果的に破壊する治療法を開発したりすることなどへの応用が期待できるという。成果は英学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載した。

 放射線が体内の水分子に当たると、はじき飛ばされた電子がDNAを損傷させるといわれている。一方、この反応は短時間で起こるため、観測が難しかった。

 京大工学研究科の関修平教授らのグループは、リボチミジンを溶かした溶液に放射線を照射。溶液の分子から飛び出した電子を東京大やフランス・パリ南大にある特殊な装置で解析したところ、電子がリボチミジンにくっつき、構造内の特定の化学結合を切断することが観測できた、という。

 関教授は「電子の位置や動きを精密に制御することができれば、がん細胞のDNAをより効果的に破壊するだけでなく、正常な細胞の損傷を防ぐ方法の開発にもつながるだろう」としている。