被害女児の様子や今の心境を話す母親(大津市京町4丁目・京都新聞滋賀本社)=代表撮影

被害女児の様子や今の心境を話す母親(大津市京町4丁目・京都新聞滋賀本社)=代表撮影

 大津市で5月に散歩中の保育園児らの列に車が突っ込み、16人が死傷した事故で、重傷を負った女児(2)の両親が25日までに心境を語った。報道陣の取材に被害園児の家族が直接応じるのは初めて。事故から4カ月余り、順調に回復する一方、心身に傷を残すまな娘の近況を明かした。

 両親は6月に京都新聞社の質問に文書で回答。女児が右脚を骨折し全身傷だらけで搬送され、入院後もベッドの柵にしがみつき泣き叫ぶなど、悲痛な様子をつづっていた。

 取材で現在の女児の様子を語った。入院中は「怖い」と繰り返し、暗い表情が多かった。一方、外出時のレストランではケーキを注文、口の周りにチョコレートをたくさん付けて味わった。退院して車で自宅に帰る時は「車大好きよ、おうち大好きよ」と喜んだ。

 家族の日常も戻り始めているという。女児は歩けるようになり、笑顔が見られ、通園も始めた。だが、前から迫る車に怖がり、散歩で体を硬直させたりすることもある。通院も続き、母親は「骨にひびが入り成長に影響が出るかもしれない。性格も怖がりになった」と不安を打ち明けた。

 過失運転致死傷罪で起訴された右折車の運転手について、母親は「全てが許せるわけではないが、時間は戻らない。罪を償って前を向いてもらいたい」と述べた。父親は「娘も元気になり今は何も思わない」と深く語らなかった。

 現在、被害の遭ったレイモンド淡海保育園(大津市)周辺の安全整備について要望書を出そうと、被害園児の保護者らで話し合っているという。母親は「防護柵設置など早い対応はあったが、確実な整備はされていない。2歳児のクラスはまだ散歩に出られておらず、子どもの未来を奪うようで残念な気持ちだ」と話した。

 両親の意向で代表取材で行われた。