伏見工定時制の校長となった高崎(京都市伏見区・伏見工高グラウンド)

伏見工定時制の校長となった高崎(京都市伏見区・伏見工高グラウンド)


 あの日のロッカールームで「仲間のために闘って、みんなで喜ぼう」と鼓舞した大島は7月の誕生日で38歳になる。高崎が花園で優勝した年齢だ。中学教諭を経て、2014年に伏見工に赴任。昨年から京都工学院監督を務める。
 伏見工と工学院。深紅のシャツ、黒のパンツというスタイルは同じだが、チームを取り巻く環境は微妙に変わった。人工芝のグラウンド、最新のトレーニングルームなど施設面は充実する。その一方で、週2日は7時間授業があり「勉強と競技の両立がより求められるようになっている」という。
 この4年間は花園出場を逃してはいるが、全国優勝し両校の歴史をつなぐのが現場を任された自分の役割だ。「山口先生が言う『教育とは忘れられない思い出づくり』は本当にその通りだと思う。教え子であり、後輩の部員にそういう思いを味わわせたい」。どうすれば勝たせられるのか。もがき苦しむ。
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 そんな大島を、高崎はラグビー部GMとしてサポートする。今春から伏見工定時制の校長となり、西京高定時制と統合して来春開校する京都奏和開校準備室長も務める。「京都奏和を充実させつつ、伏見工の最後を輝かしく締めくくりたい。最後の卒業生が胸を張って巣立っていけるようにするのが自分の仕事」
 現1年生が卒業する4年後の春、伏見工の校名は消える。フシミのロマンを後世に引き継ぐ、2人の戦いは続く。(敬称略)