県護国神社に奉納した欄窓ガラス。県内の風景を色鮮やかに写した(彦根市尾末町)

県護国神社に奉納した欄窓ガラス。県内の風景を色鮮やかに写した(彦根市尾末町)

ステンドグラスを作っている山本さん。5年前に国宝・彦根屏風を原寸大で再現した(彦根市西今町)

ステンドグラスを作っている山本さん。5年前に国宝・彦根屏風を原寸大で再現した(彦根市西今町)

 滋賀県彦根市の元職員の男性が、ステンドグラスで県内の名所や文化財を題材にした窓や調度品を作っている。地域の神社や友人宅の窓用に贈るなどして喜ばれており、「きれいな輝きを見て、息抜きしてもらえる品を作り続けたい」と語る。

 同市西今町の山本起美郎さん(79)。20年前に退職後、宇治市内のステンドグラス教室に通い、自宅の地下で妻が主宰する社交ダンス教室の窓を自作したのが始まり。その後、自宅横に工房を建てて本格的に取り組むようになった。

 工房では、海外から取り寄せた色ガラスを100枚以上常備する。ダイヤの刃先を備えたカッターで型紙に沿って切り、やすりをかけた後、絵柄を縁取る鉛線と共に接着する。大作だと、200個以上のピースを組み合わせるという。

 山本さんはこれまで20点以上を窓用に友人宅へ贈ってきた。昨夏には、県護国神社(同市尾末町)内の英霊顕彰館に欄窓用20枚を奉納した。彦根城や多賀大社、長浜曳山(ひきやま)まつりの曳山、三上山(野洲市)など県内の風景を色鮮やかに写しており、同神社は「参拝者に喜んでいただいている。祭祀(さいし)している戦没者の方々も故郷を懐かしんで見ていると思う」と喜ぶ。山本さんの作品は、次男が勤務する北海道大構内のカフェにも飾られている。

 12月5~19日には、井伊家伝来の国宝・彦根屏風を原寸大(縦90センチ、横270センチ)で再現した作品を、中地区公民館(同市大藪町)で展示する。山本さんは「自分で色彩を考えたり、工程が多かったりと手間がかかるのが逆に面白い。これからも大作に挑みたい」と話す。