京都府八幡市消防本部(八幡市八幡)の救急救命士が市内の高齢男性を救急搬送中、京都救命指示センターの医師の指示を受けた後に行うことになっている「特定行為」を、指示を受けずに実施していたことが16日、市消防本部への取材で分かった。誤認と隊員間の意思疎通の不徹底が原因。行為は医師に追認されたが、高井寛消防署長は「重大な事故と捉えている」としている。

 市消防本部によると、5日夜に男性の家人の通報を受けて救急救命士3人が男性宅へ出動した。男性が心肺停止状態だったため、心肺蘇生を行い、救急車に乗せた。救急救命士の1人が受け入れ予定先の病院と電話連絡している会話の内容を、他の2人が同センターの医師の指示と誤認し、確認しないままに薬剤投与のために静脈へ注射針を刺す特定行為を実施した。その後、薬剤投与の指示を同センターの医師から受けた際に誤認と分かった。

 男性は搬送先の病院で死亡したが、市消防本部は救急救命士の行為との因果関係はないとしている。

 高井消防署長は「事故後すぐ救急活動マニュアルを見直した。再発防止を徹底したい」と話しており、隊員の処分についても検討するとしている。