工房で防護服を縫製する稲森さん(大阪府島本町)

工房で防護服を縫製する稲森さん(大阪府島本町)

完成した防護服を着用する木林さん(長岡京市開田1丁目)

完成した防護服を着用する木林さん(長岡京市開田1丁目)

 光ファイバーを使った舞台衣装などを手掛ける京都府大山崎町の企業が、医療現場で不足している防護服の製作に取り組んでいる。新型コロナウイルスの感染拡大によるエンターテインメント業界の活動自粛で受注が減る中、長岡京市の歯科医から相談を受けたのがきっかけ。同社関係者は「みんなが困っている状況だからこそ、新たなチャレンジで役に立ちたい」と意気込みを見せている。

 大山崎町に本社を置き、大阪府島本町に工房を構える「フィルノット」は、コンサートやテーマパークなどで使う、光る衣装やオブジェを制作しているが、コロナ禍で売り上げは「8~9割減」という。同社専務の稲森麻子さん(52)が、旧友の木林博之さん(57)が院長を務める長岡京市の「きばやし歯科医院」を訪れていたところ、防護服の不足について相談を受け、協力することになった。

 試作を重ね、5月に入って完成した防護服は、薄手の生地で夏でも快適で、洗濯してアイロンがけもしやすいのが特徴。木林さんが関西の同業者にも声をかけて発注した計約50着を、フィルノットのスタッフ4人が工房のミシンを使って仕上げた。現在、防護服は紙製以外は入手困難で、実際に着用した木林さんは「軽くて快適に過ごせるので、ありがたい」と話す。

 稲森さんの兄で社長の小﨑幹太さん(53)は「材料の調達など難しい面もあったが、厳しい状況下における会社のステップアップにもなった」と笑顔で語る。本業の光ファイバー衣装等の製作については、障害のある人に柔らかな光で刺激やいやしを提供する活動「スヌーズレン」にも力を入れたい、という。
 
 防護服は注文も受け付ける。1着5千円。問い合わせはフィルノット075(962)0774。