小林さんが育ててきたブナ(京丹後市大宮町森本)

小林さんが育ててきたブナ(京丹後市大宮町森本)

 京丹後市大宮町に広がるブナ林を20年にわたって守り育てる地元男性がいる。種から育み、これまで500本以上を植えてきた。ブナは2~5メートルの大きさに育ち、男性は「わが子のよう。森の水源としての大切さを伝えたい」と話している。

 同町森本の農業小林喜一さん(87)。郵便局を退職後、竹野川の水源である近畿最大級の内山ブナ林の保全を計画。2000年ごろに種からブナの苗木を育て、300本は市内で希望者を募って配るなどしてきた。

 ブナ林への植樹は07年ごろから始めた。丹後縦貫林道沿い1・5キロにわたって雑木や下草を伐採し、苗木を植樹。時には家族に手伝ってもらいながら、約10年かけて地道に苗木を補植し、年4回の草刈りを続けてきた。

 始めた当初は不法投棄があったという縦貫林道だが、今では見上げる高さにまで育った新緑のブナが等間隔に並ぶ。小林さんは「ブナがかわいくて、大きくなるのを日々楽しみに育ててきた。ブナの葉に付いたつゆが地に染みこみ、竹野川に注ぎ地域の上水道につながる。みなによりよい水を味わってほしい」と話している。