今日は「令和」の初日だが、国際的にはメーデー、「労働者の祭典」の日でもある。国連の国際記念デーで、欧州やアジアを中心に祝日や休日の国が多い▼「8時間は仕事、次の8時間は休息、他の8時間は俺たちのために」。1886年5月1日、米国シカゴで開かれた北米労働組合の集会はこう決議した。現代の8時間労働原則の源流である▼平成の約30年は、こうした働き方の原則が大きく揺らいだ時代でもあった。過労死がkaroshiとして英国の辞書に掲載されクローズアップされたのは2000年ごろだ▼その頃、厚生労働省が過労具合を自己診断するサイトを公開したら、アクセス過多ですぐにダウンした。「コンピューターも働き過ぎ?」と一部の新聞が報じたが、笑える話ではない。問題はそれほど深刻だった▼派遣や請負などの非正規雇用が増えたのもこの30年だ。08年のリーマンショック時の「派遣切り」で不安定さがあらわになったが、今では働く人の3人に1人に上る▼気になるのは、組織率17%前後に落ち込んだ労働組合の体たらくだ。非正規労働がこれほど増えたのに、いまだに正社員中心では人心も離れよう。メーデー起源のシカゴ集会では、格差や差別の撤廃もうたわれた。「歴史に学ぶ」大切さを改めて思い起こしたい。