スーパーボウルの約100倍大きい行事とされる天皇陛下の即位である。カウントダウンは当たり前、道頓堀川に飛び込む人がやっぱり出た。一方で起きたら令和になっていたという人もいたのでは▼約200年ぶりに、先の陛下が退位されての代替わりとなった。どう受け止めたらよいか、アドバイスがほしい。適任なのは、鎌倉末期から南北朝期にかけて生きた兼好法師であろう▼有名な「徒然草」に、代替わりで神器を譲るのは寂しいものだ、と書いている。退位された方はその年の春、係がおらず掃除されない庭に桜の花が敷き詰めたように散っているよ、と詠んだそうだ▼民の憂い、国の損失を知らずにぜいたくをする天皇には困るし、昔の偉かった天皇のされたことを忘れてはならないとも指摘した。皇室の近辺にも出入りしていただけに、説得力がある▼きのうの「即位後朝見の儀」で陛下は、上皇さまとなった先代が示した象徴としての姿に敬意を払い、国民に寄り添いながら憲法にのっとり、責務を果たすと誓った。極めて穏当な内容といえよう▼皇位継承者に王道を説くため、「徒然草」を書き始めたともされる法師が聞いていたなら、とりとめのない話ばかりなのに理解してくれたので、「ほかは思い捨てて励むべし」というかもしれない。