<ああ、投票したい! 長年そう思いつつ、その機会が一度もない>。1960年に来日したイーデス・ハンソンさんは、こう嘆く。10年前の新聞寄稿だが、それから何も変わっていない▼大阪弁を使う外国人としてテレビでおなじみになり、講演や人権活動で活躍し、税金もしっかり納めてこられたろう。なのに、ごみや福祉の問題など生活に関わる選挙に、住民として参加できない▼日本国憲法は国民に限り参政権を保障している。定説のようだが、異論もある。特に国政と違って地方の選挙。最高裁は、法律で決めるのは「憲法上禁止されているものではない」との判断を示した。永住外国人の地方参政権を許容している、ともいわれる▼民主党政権は法案づくりに積極的だったが、政権を奪った自民党は強く反対しており議論は下火に。さて、安倍政権は、4月から外国人労働力の受け入れを拡大したが、外国人の人権をどう見ているのか▼これまで数々の在日外国人への差別、人権侵害があり、その訴えのよりどころになったのが憲法。14条「法の下の平等」があり、基本的人権は国民限定の対象を除けば外国人にも及ぶとの最高裁判断もある▼広く外国人に門戸を開く社会となり、憲法を読み直したい。そこには「何人も」という言葉も書かれている。