保育園で行う散歩は、好奇心いっぱいの園児たちが興味の幅を広げる楽しいひとときだ。適度な運動にもなり、成長に欠かせないという。それが一瞬で暗転した▼きのう大津市内で車が散歩中の園児の列に突っ込んだ事故は、2歳児2人が亡くなり、多くの重軽傷者を出す惨事となった。ほんの数時間前、いつも通りに子どもを園に送り届けたばかりの保護者もいたはずだ。胸が痛む▼警察の説明では、軽乗用車と乗用車が衝突し、はずみで軽乗用車が歩道に乗り上げたという。詳しい事故原因の捜査はこれからだが、見通しの良い直線の丁字路でなぜ、との疑問が浮かぶ▼警察庁のまとめでは、交通事故で歩行中の児童が死傷するのが最も多いのは5月だ。1年生が学校に慣れ始め、放課後の活動が活発になるためだという。ハンドルを握る側にとって、特に注意が必要な時期である▼車と歩行者の衝突では時速30キロを超えると致死率が急激に上昇するとの調査がある。全国各地の生活道路では速度を30キロ以下に抑える区域「ゾーン30」の整備が進められ、一定の事故抑止効果が認められるという▼丁字路に差し掛かった時、歩道上にいる園児たちの姿が目に入らなかったのだろうか。注意を払っていれば衝突も防げた-と考えても、時間を戻せないのが悔しい。