観戦チケットの申し込みも始まり、関心が高まる東京五輪。来年夏に開幕を控えながら開催国の日本オリンピック委員会(JOC)が迷走中だ。招致の贈賄疑惑で竹田恒和会長が6月退任を表明、正式に後任が決まらないまま準備が進む▼外部調査チームは違法性はないと結論づけ、本人も意欲を見せていた。ところが、会長続投を狙った役員規程の変更を国会議員やスポーツ庁の鈴木大地長官にとがめられ流れが変わった▼JOCには苦い過去がある。1980年のモスクワ五輪。ソ連のアフガニスタン侵攻を契機に米国が不参加を呼びかけた。選手らは懸命に出場を訴えたが、最後はJOCが政府の圧力に屈して派遣断念を決めた▼約40年が過ぎ、今はハイテク機器で相手を分析し、データに基づき練習メニューを組む時代になった。経験を積む海外遠征も欠かせず、国からの強化費をどう確保するかが競技団体の命運を握る▼政治に弱いスポーツ界の体質は変わらない。2015年のスポーツ庁発足後、国策強化の色合いが強まったとの懸念もある。国がかじ取りを握る不安は募るが、スポーツ界が脇の甘さを見せれば世論は離れる▼国との関係をどう再構築するか。7月に決まる新会長にはピュアなだけでなく、先頭に立って将来像を描く能力を求めたい。