「申込完了」のメールを確認し、やれやれとため息が出た。東京五輪のチケット抽選申し込みは28日まで。受付サイトの混雑は一時ほどでないが、人に頼まれた予約手続きに、思いのほか手間取った▼プレイガイド前で徹夜したり、つながりやすいと噂(うわさ)の公衆電話からかけまくったりしたのも今は昔。各種予約がインターネット主流になり、便利な半面、ID登録やら何やらを自分でする面倒が増えた。先日も確認メールで入力ミスに気付き、慌ててやり直した▼サイトを運営する方も神経を使うに違いない。アクセス殺到でシステムがダウンしないか、はたまたサイバー攻撃に遭わないか。「お申し込みは往復はがきで」の頃には想像もできなかった▼それが今や「ネット販売のみ」式が加速しそうな気配である。横行するチケット不正転売への対策で、ITを活用した厳格な購入者確認が広がっているからだ。来月にはチケットの高額転売を禁じる新法が施行される▼振り返れば、ピクトグラム(案内用絵文字)や競技記録の速報システムなど、五輪を機に普及したものは多い。これからはネット弱者は券一枚買えないのが社会の常識…になるのだろうか▼不正な転売者をこそ恨め。だがここはもうひと工夫したい。売買から締め出すのは不心得者だけでいい。