フランスのシラク元大統領は、大の相撲好きで知られる。「スモウ」という名前を愛犬に付けたくらいだから、かなりのものだ▼沖縄サミットなどで来日した際には、地方場所に足を延ばし、身を乗り出して最後の取組まで楽しんだという。日本文化への造詣にひとかどのものがあり、相撲を見る目も違ったと伝わる▼特に仕切りに美を見いだしたようだ。「力士がにらみ合う視線以上に強いまなざしを知らない」「この儀式は、他者に理解を求めたり、説得する際の方法に関して多くを教えてくれた」と回想録に書き残している▼さて、米大統領のトランプさんは大相撲を楽しんだのだろうか。国賓への特別な計らいで、升席を外して設けたソファでの観戦。テレビで見る限り、腕組みしたままで、拍手していたのかどうか▼格闘技好きで、かつてプロレスを主催し、自身の「場外乱闘」の場面が投稿動画で流れたこともある。そんなプロレスらしい派手な演出がお気に入りなのだろう。そう拝察した▼温暖化対策のパリ協定や環太平洋連携協定(TPP)などから離脱し、国際ルールの「場外」に出て、大国の力を見せつけようとする。中国やイラン、北朝鮮とは「にらみ合い」が続く。仕切りから「説得」「理解」を読み取るような大統領…ではなさそうで。