「ガクチカ」と大学生が話すのを聞いて、何の略語か分からなかった。答えは「学生時代に力を入れたこと」。これをうまくアピールするのがシューカツ(就職活動)の第一歩らしい▼来春卒業予定者の採用選考は6月1日開始のはずだが、就職情報会社の調査では内定率が5月現在で既に5割に達しているという。「リク面」と称してリクルーター役の若手社員と学生を早くから面接させ、6月に入って即内定を出す企業も多いようだ▼人手不足で企業の採用意欲は衰えず、学生の売り手市場傾向は続く。優秀な若者を早々に囲い込んだ企業も、辞退されないかハラハラしているのが現状だ。来年度から経団連は就職活動に関する指針を廃止するが、現場はますます混乱するのではないか▼学生は内定を得やすくなったとはいえ、みんなが第1志望をかなえるわけではない。「内々定」ならず「無い内定」なんて言い方もはやりだとか▼不合格こそ最良の自己分析、とは言い過ぎか。合格通知が来ない「サイレント」の惨めさをたっぷり味わった身からすれば、学生時代を就職活動に振り回されるのは本末転倒だろう▼ゼミにバイト、旅、サークル、ボランティア…。自分のガクチカを信じ、迷いを吹っ切ったときに、案外いい結果につながるというのが実感だ。