10年ぶりに新車に乗り換え、売り物の自動追従システムを試した。前を走る車と一定間隔を保つよう速度を自動制御してくれる機能だ▼アクセルを踏まないのに先行車が加速すると追い上げ、近づくと勝手に減速する。運転席にいるのに逆に操られている感覚だ。もしブレーキが掛からなかったら?と身構えて余計に力が入る。慣れが要りそうだ▼加減速の制御は初歩で、人に代わる完全自動運転への開発競争が熾烈(しれつ)になっている。日産自動車は今秋、一定の条件下なら高速道路でハンドルを手放しても自動で走れる運転支援システムを市場投入するという▼搭載第1号が60年超のロングセラー車「スカイライン」なのは因縁を感じる。往年のファンはご存じだろうが、1966年に吸収合併したプリンス自動車工業から引き継いだ車だ▼合併は、外国車の輸入自由化を前に国産メーカーの統合強化を促した国策だった。走りに優れたプリンス車は若者の憧れだったが、現存車種はスカイラインだけだ▼日産が企業連合を組む仏ルノーと、欧米大手フィアット・クライスラーの統合案が急に浮かび、消えた。大変革期を規模の足し算で生き抜こうという動きは、今後も続くに違いない。寄り合い所帯の中でスカイラインは残るだろうか。手放しで付いてはいけまい。