大河ドラマ「いだてん」で、中村勘九郎さん演じる金栗四三(かなくりしそう)が日本中を駆け回っている。1912年のストックホルム五輪で日本初のオリンピアンとなった▼ドラマでは若者たちが体を動かす喜びに目覚めていく様子が描かれているが、その機運は京都でも高まっていた。下鴨神社境内で慶応大の学生が三高生にラグビーを教えたのが10年。11年に同志社大、12年に京都一中(現洛北高)と創部が続き、だ円球の魅力は一気に広まった▼15年には、高校野球のルーツである全国中等学校優勝野球大会で京都二中(現鳥羽高)が優勝。17年には三条大橋を起点に東海道駅伝徒歩競争が開催され、18年からの全国中学ラグビー大会では京都勢が11連覇を遂げた▼当時は第一次世界大戦が勃発し、富山で米騒動があった社会情勢だ。現代のようなスポーツ用具も少なく、練習方法も手探りの中で先達たちは夢中になった▼そんな遠い過去に思いをはせるのは「第100回大会」「駅伝100年」と節目の記事が多いから。最初の一歩を踏み出す勇気があったからこそ、ラグビーW杯や東京五輪と注目を集める今がある▼世紀を超えてスポーツが愛されるのはなぜだろう。楽しそうに走るドラマの主人公の表情には、アスリートとして競う喜びを知った充実感が漂っている。