欧米ではジューンブライド(6月の花嫁)は幸せになると伝わる。6月は結婚をつかさどる女神ジュノーが守護する上、欧州は真夏に向けて晴れが多く爽やかな季候だから結婚式にふさわしい▼日本でも憧れる女性は多いが、梅雨時ゆえに雨が降り蒸し暑い。決して結婚式に適しているとは言えない。だからこそ1960年代にホテル業界が閑散期対策として女神伝説に着目したそうだ▼90年に秋篠宮ご夫妻、93年は現天皇・皇后両陛下と、皇室の婚礼がくしくも6月に重なった。昨今の「令和婚」と同様にあやかりたいカップルが増え、定着した▼だが商魂たくましくとも実際にはうっとうしい空模様は敬遠されがちだ。梅雨のない北海道を除き、ジューンブライドは際立って多くはないらしい▼先週、厚生労働省が公表した昨年の人口動態統計で、結婚は58万6千組と6年連続で減り、戦後最少となった。最多だった72年の110万組と比べてほぼ半減。少子化に加え、生活様式や結婚観の多様化に伴い未婚化、晩婚化が進んでいるためという▼もちろん結婚は人生の選択肢の一つにすぎない。それぞれの考え方次第だが、非正規雇用などで人生設計を見通せない若者が少なくないとあれば看過できない。日本の結婚事情は女神の目にどう映っているのだろう。