阪神大震災から24年のきょう、神戸市中央区で開かれる「1・17のつどい」で、竹灯籠などを並べて「つなぐ」の文字が描かれる。

 南海トラフ巨大地震などの甚大な被害が予想される中、被災体験を風化させず、「人や記憶をつなげていく」との決意を込めた言葉である。

 大都市で起きた直下型大地震の教訓をどう生かしていけばいいのだろう。

 最大震度6弱を観測した昨年6月の大阪府北部地震では、水道管損傷に伴う断水などライフラインや交通網が混乱した。とりわけ衝撃を与えたのは、高槻市で登校中の小学生女児が犠牲になったブロック塀の倒壊被害だ。

 調査した第三者委員会は、設計・施工不良や腐食による耐力不足を事故の主な原因とし、業者の一部は法定点検をせず、市教育委員会も点検漏れのチェックをしていなかったと指摘した。

 老朽化したブロック塀の危険性は早くから指摘されてきた。1978年の宮城県沖地震では下敷きになった18人が死亡、95年の阪神大震災や2016年の熊本地震などでも犠牲者が出ている。

 その間、建築基準法改正で塀の高さの上限や控え壁の設置などで規制を厳しくしたが、悲劇は繰り返された。その原因を探り、有効な対策を講じる必要がある。文部科学省の緊急点検では、全国1万2千校超で安全性に問題があったというが、一般の住宅などを含めれば膨大な数になろう。

 最大震度7を観測し、大規模な土砂崩れなどで41人が亡くなった昨年9月の北海道地震では、国内初の全域停電を起こし、混乱に拍車をかけた。停電戸数は阪神大震災を上回る295万戸にのぼった。

 ところが、国が都道府県に求めている大規模地震発生時の被害想定で、北海道や京都など6道府県が項目に停電を入れていなかったことが分かった。生活への影響が大きい停電を想定しなければ減災はできない。

 さらに札幌市内の住宅地などで敷地や道路が陥没する液状化現象が起きたが、各自治体の備えは不十分だ。阪神大震災や東日本大震災での経験を踏まえ、液状化のハザードマップを作成しているのは全国の市区町村の約2割にとどまる。

 阪神大震災後、ボランティアの被災者支援や自治体間の応援態勢などが整えられてきた。防災、減災の力を高めるには、プラス面を育てつつ、マイナス面を克服していく地道な努力が欠かせない。