童謡「てるてる坊主」の<あした天気にしておくれ>と口ずさんで、あとが出てこない。<いつかの夢の空のよに、はれたら金の鈴あげよ>。歌える人はどれだけいるだろう▼浅原鏡村という小説家が作詞した唯一の童謡で、3番が怖い。<それでも曇ってないてたら、そなたの首をちょんと切るぞ>。どうすることもできない天気の気まぐれ。願いの切実さを表現したのだろう▼てるてる坊主を逆さにつるせば、「雨にしておくれ」という願いになるそうだ。なかなか近畿地方は梅雨入りしないで最も遅い記録を61年ぶりに更新、これは逆さてるてる坊主の出番かと思ったら▼きのう気象庁が九州北部・四国・中国地方と合わせて梅雨入りを発表した。もし梅雨入りしないままだったら、前の東京五輪の1年前、1963年以来56年ぶりとなり、歴史は繰り返すところだった▼それは記録上のことで、63年は4月から6月末まで各地で長雨が続き、6月には台風と大雨で河川が氾濫、死者も出た。それでも梅雨入りなしと記録されたのは、入梅の時期が特定できなかったからという▼きのう梅雨入り発表と同時に、台風発生を予想し大雨被害への警戒が呼びかけられた。最近の天気の気まぐれは極端。万全の備えをした上で、てるてる坊主の3番を歌ってみるか。